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2017年8月

2017年8月 6日 (日)

汚字(おっ)さんは筆を選ぶ

<なぜ私の字はこんなに汚いのか?><子供の頃から字が汚いと言われていた><うまい字じゃなくていいので、せめてもう少し“大人っぽい字が書けるようになりたい。><練習すれば字はうまくなるのか?>
著者の直筆らしき文言が表紙を埋め尽くしている。
「字が汚い」を自称するフリーエディター&ライターである新保信長氏の著書、その名も『字が汚い!』を丸善の新刊コーナーで見つけたとき、真っ暗闇で同種の異性に出会った深海生物ってこんな気持ちだろうかと思い、迷わず買った。
てなわけで、私も字が汚い。下手、ではなく汚い。ちなみにこの本に登場する日独ハーフの著述家サンドラ・ヘフェリンさんが言うには「ドイツで字をきれいに書くというのは、どちらかというと“子供が頑張ること”」らしく「大人に関しては、お医者さんとか弁護士とか会社社長とか政治家とか、職業的な立場が偉ければ偉いほど字が汚くなる」らしい。あくまでもドイツのお話。

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メルケルさんの直筆らしい

あと面白かったのは、2006年の参院選時の9党首の字が小沢一郎を除いてまぁまぁ下手っぴなこと。あと、私が知らなかったことで、麻生太郎は美文字・筆マメで有名だとか。

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漢字も知ってれば最強だなぁ

80年前後に流行った丸文字の検証も面白かったなぁ…っと、思わず自分のことを棚に上げて一気に読んでしまったけど、そもそもこの本のテーマは<どうすれば字はうまくなるのか?>だ。それが第2章「練習すれば字はうまくなるのか?」で、amazonで売れてるペン字練習帳3冊を攻略(?)し、遂には半年間のペン字教室に通い、著者が参考となったそれぞれのポイントを紹介してくれているのが私としてはありがたい。
ちなみに私の場合、ハンデと言っていいのか分からないけど、主に“書く・食べる”は生まれつきの左利き。しかし文字というのはそもそも右利き用に出来てるから、たとえば漢字の横棒は左から右へ引いてトメる。それがぎっちょだと、左から右へ“押して”トメるから、芯の細いシャーペンや万年筆だと“紙にペン先が刺さる”という、ぎっちょあるあるがある。とにかくぎっちょの人は漢字もひらがなも、数字の8も右利きの人に比べれば書きにくいはずだけど、それでも「ぎっちょだから」というのは字が汚い理由に当たらない。自分のことだからはっきり言える。私の字が汚いのは、もともと文字を書くことに対する意識が低いからだ。しかし、この本を通して自分の欠点が色々と見えてきた。まず私は字を速く書いていたことだ。この本によると字が上手い人ほどゆっくり書くという。にもかかわらず、汚字の私が速く書いてきれいに書けるわけがない。いろいろと参考になる点はあったが、まずはそこだ。そしてもうひとつ。“道具を選ぶ”ことがとても重要。これには私も薄々気付いていた。とくにぎっちょにとって、ボールペン選びは重要なのだ。モノによっては書けない(左利きあるある:ボールペンのインクが出ない)ものもあるからだ。そこで、この本で紹介している「エナージェル(ぺんてる)」は、雑誌『プレジデント』の記事「きれいな字が書けるペン最強の1本はこれだ!」でぎっちょ代表が星5つの高評価をつけたというから速攻で買いに行った。今までは「楽ノック(三菱ユニ)」が私にとっての最強ボールペンだったが、所詮は100円クラス。さっそく200円クラスのエナージェルを使ったら、書いているときの滑らかさがぜんぜん違うし、先っちょがシャーペンみたいに細長くなっているというだけで、漢字の細かいところが見えやすい(左利きあるある:写真1参照)。これでゆっくり書いてみたら少し字が綺麗になったような気がする。

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やはり未熟な者こそ道具を選ぶべきであり、上級者、達人にこそ、あの諺を言うべきだと私は思う。かといって、特定のバットでしか打たないイチローに誰がそれを言うのか。そもそもその道具が優れているかどうかという以前に、日本人の心として「げんをかつぐ」という意識があるが、それを言うなら弘法大師そのものが「げん」なのではないか。けっきょく諺なるものの大半はイヤミと陰口なのではないかと私は思う。なんとなく話が逸れていきそうなので今日はここまで。

写真1
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ぎっちょは手が内側を向くので、書いた字がペン先に隠れて見えにくい

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