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2017年10月

2017年10月11日 (水)

記憶の中のパチュリー

9/25油脂(あぶら)道場 at never on monday は保湿クリーム作り1回目。ちょっと早めに恵文社に着いたので、のんびりと準備していると、二十歳前後くらいの青年が「今から何が始まるんですか」と近づいてきて、並べている精油瓶に興味津々のようで、ひとつひとつ精油の香りを嗅いでもらいながら10分ほど語り合った。彼もアロマに興味があるという。「アロマに興味がある」といっても、最近は洗濯洗剤や柔軟剤で「アロマを楽しんでいる」という人も多いようだけど、そもそも「アロマ」とは芳香の総称であって、アロマ=天然の香りではない。「アロマ」にもピンからキリまである。話が逸れたが、その青年の言う「アロマ」はまさしくの精油のことだった。ラベンダーと柑橘類の何かを持ってると言っていたと思う。
さて、彼がどうしてアロマに興味をもったのか、そこが面白い。「高校のとき校舎(?実家だったか失念)の裏山の雨が降る前の、湿った地面の匂いが気になって…あの匂いは何ですか?」と聞かれ最初はピンと来なかった。詩的というのか、もしかしたらこれが噂の“意識高い系”というのか、などと思っていてもなお「落ち葉や枝が重なり合って…」と真剣に続ける彼の説明が私の頭のなかに風景を描いた。ハッとして「パチュリーが近いと思う」と私は答えた。「根っこの精油だから、まさに山の湿った地面の匂いがするんだよ」と言ったけど、パチュリーが根っこの匂いというのは私の思い違いだった。だから実際の根っこの精油である「ベチバー」と答える人もいるだろうけど、私の中ではやはりパチュリーが山の湿った地面の匂いだった。そしてパチュリーは私がアロマに興味を持って最初に好きになった精油だった。しかし、その日はパチュリーを持っていなかったので、彼にはその香りを伝えることができなかった。そしてそのとき私はある記憶が蘇っていたことに気付かないでいた。
2012年に亡くなった私の父の現役時代は営林署員という国有林を管理する国家公務員だった。若い頃は伐採作業員と一緒に山に入って、ついでに山菜を採ってきたり、猟師が撃った熊の肉を山分けして持ち帰ったりしていた。そんな父が仕事から帰ってくると、汗や体臭とは違う、ゴムが焼けたような独特な匂いがした。休日には他の署員や作業員と一緒に、山菜採りや花見に連れて行かれたことがあり、そのときの署のマイクロバスの中の匂い。そして私自身が踏んだ湿った山の地面の匂いを想い出す。どれもやはり真っ先に思い浮かぶのがパチュリーの匂いだ。そんなことを今になってふと思い出した。

雨が降る前かどうかは知らないけど、山の湿った地面の香り
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オークモス、スパイクナード、ヒノキ、ガルバナム、パチュリー、サイプレス、マートル、プチグレン、エレミ、ライム

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